パソコンに向かう姿勢が原因?肩こり・腰痛が起こる原因と正しい姿勢を保つためのデスク周りの調整法をご紹介

2021.08.25 最終更新日: 2023.07.25

「パソコン作業の後は肩や首が凝ってつらい」「デスクワークになってから腰が痛い…」など、日頃からデスクワークが多い方は、このような身体の不調に悩まされることも多いでしょう。そんな肩こりや首こり・腰痛は、パソコンに向かう姿勢が原因かもしれません。
どんな姿勢が肩こりや首こり・腰痛を引き起こすのか、悪い姿勢が続くと身体にどんな影響があるのか、といったメカニズムを解説します。その上で、正しい姿勢や座り方、机・椅子の最適な高さ、デスクでできる簡単ストレッチをご紹介します。肩こりや腰痛、そしてデスク周り環境を改善するヒントとなるでしょう。

肩こり・腰痛はパソコンを使用する時の姿勢が原因?

デスクワークでは作業に集中しているため、長時間同じ姿勢をとり続けることが多くなります。長時間同じ姿勢をとると筋肉が緊張し続け、血流が悪くなり、筋肉がさらに硬くなるという負のスパイラルが起こり、肩こりや首こり・腰痛といった症状を引き起こします。そのような症状を引き起こしやすい姿勢と原因について、それぞれ解説していきます。

肩こり・首こりになりやすい姿勢

・顎や顔を突き出している
・背中が丸まっている
・作業中、肩が上がっている
・キーボードが肘よりも高い位置にある

肩こりは、主に僧帽筋(そうぼうきん)・肩甲挙筋(けんこうきょきん)・菱形筋(りょうけいきん)などの肩甲骨周りの筋肉が硬くなって起こります。肩甲骨周りの筋肉は、重さ約4~6kgの頭や、体重の約16%の重さを占める両腕を支えている筋肉群です。

顎や顔を突き出したり、背中が丸まっていたりすると、頭が肩よりも前に出ます。そうなると、頭を支えるために、肩甲骨周りの筋肉はもっと収縮しなければなりません。頭部が肩の真上にある時よりもかなりの負担がかかってしまい、肩こりになりやすいのです。また、いかり肩の方やキーボードの位置を高めに設定している方は、両腕を持ち上げる必要があるため、肩甲骨周りの筋肉に余計な力が入ります。これも肩こりを引き起こしやすくする一因です。

腰痛になりやすい姿勢

以下の姿勢は腰痛になりやすいため注意が必要です。
・背中が丸まっている
・足を組んでいる

背骨には首から腰にかけて、もともとS字カーブという弯曲があります。この弯曲は、筋肉への負担をやわらげ、効率的に身体を支えるのに役立っているのです。しかし、背中が丸まったり、足を組んだりすることが続くと、この弯曲が崩れてしまいます。その結果、筋肉の負担が増え、腰痛を引き起こしやすくなるのです。また、座っている時に足を組むクセがあると、体重が骨盤に左右均等にかかりません。その結果、背骨が左右にゆがみ、筋肉に入る力も左右差が生じてしまいます。片方ばかりに負担がかかってしまい、腰痛を引き起こしてしまうのです。

パソコンに向かう時の正しい姿勢と座り方

机と椅子を用いた場合の姿勢と座り方についてポイントを解説し、デスクトップパソコンとノートパソコンそれぞれの特徴や注意点を説明します。

良い姿勢のポイント
・椅子に深く腰掛ける。
・足裏全体を床につける
・膝裏と椅子のすきまは、手の指が入る程度あける
・ディスプレイの上端は、目の高さより低くする
・目からディスプレイまでの距離は40㎝以上確保する
・キーボードは、自然と手が届く距離に置く
・肘の屈曲角度は90°以上とする
・手首や前腕を載せられる机のスペースやひじ掛けを確保する

【デスクトップパソコン】
デスクトップパソコンは、キーボードとディスプレイが独立しているので調整しやすいのが特徴です。
タイピングしやすいキーボードの角度、見やすいディスプレイの角度にそれぞれ調整しましょう。どの角度が良いかは体格や姿勢によって個人差があるため、自分にしっくりくる角度を探してください。また、1日のうちに見やすい角度が変化することもあるので、定期的に見直す必要があります。

【ノートパソコン】
ノートパソコンは、キーボードとディスプレイが一体型となっているので、上記のポイントをすべて押さえるのはなかなか難しいでしょう。特にディスプレイはどうしても低い位置にあるので、姿勢が前かがみになりやすいです。ノートパソコンによっては画面も小さく、さらに前傾姿勢になってしまいます。
そこでノートパソコンの場合は、台に載せて使用することをおすすめします。台に載せることで、ディスプレイの位置を高くしたり、キーボードに傾斜を付けたりといった調整が可能になります。工夫して少しでも正しい姿勢へ近づけるようにしましょう。

パソコン用の机と椅子の最適な高さは?

パソコンを使用する時の姿勢に大きな影響を与えるのは、机と椅子です。机と椅子が身体に合っていなければ、いくら正しい姿勢や座り方を心掛けても、肩こりや腰痛は生じてしまいます。

令和元年7月に厚生労働省より公表された「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によると、机と椅子の最適な高さは次の通りです。

■机の最適な高さ
具体的な数値:60~72cm
体感:キーボードに手を置いた時に、肘が約90度開く。

■椅子の最適な高さ
具体的な数値:37~43cm
体感:足裏全体が床につく。足裏に均等に体重がかかる。

机と椅子は、高さ調節が可能なものを選びましょう。

机は、ディスプレイ・キーボード・マウスなどが広々と使えるように、十分な奥行きがあるものがおすすめです。
座面にクッション性がある椅子は、座ると数㎝ほど沈み込むものもあります。沈み込んだ状態で足裏全体が床に設置できるかどうか、体重のかかり具合が左右均等かどうか確かめましょう。背もたれは肩甲骨~頭部あたりまである長いものだと、背骨の弯曲をサポートしてくれます。机の奥行きが足りない場合は、ひじ掛けがある椅子だと腕を支えてくれるので肩こり予防になります。

デスクでできる簡単ストレッチ

正しい姿勢であっても、長時間同じ姿勢を取り続けることは身体への負担になります。そのため30分から1時間に1度は立ったり、ストレッチをやってみたりして、身体をいたわってあげましょう。ここでは、座ったままでもできる簡単なストレッチを紹介します。

【肩と胸を開くストレッチ】
作業に集中していたら、いつの間にか背中が丸まり前かがみになっていることはよくあります。作業がひと段落する度に、この肩と胸を開くストレッチを行いましょう。

① 椅子に座り、手を後ろで組む
② 胸を開きながら、両手を下げる
③ 肩があがらないように、組んだ手を後方へ上げる
④ 15~20秒キープ
胸をふくらませたり、しぼませたりするイメージで呼吸しましょう。
深い呼吸にはリラックス効果もあります。

【腰をひねるストレッチ】
疲れてくると自然と背中が丸まってしまう人もいます。お昼休憩前や夕方など、「そろそろ疲れてきたな」という頃に行うとよいでしょう

① 椅子に座り、背すじを伸ばす
② 背もたれをつかんで腰を左右にゆっくりひねる
③ 反対側も同様に振り向く
④ 3~5セット行う
深く呼吸をしながら、ゆっくりと振り向きましょう。股関節や腰、肩周りで窮屈に感じるところはないか、左右差はないかを意識してみてください。

【足裏のハムストリングスを伸ばすストレッチ】
腰痛には、腰だけでなく太もも裏のハムストリングスという筋肉も深く関わっています。座りっぱなしだとこのハムストリングスも硬くなりやすいので、気が付いたら伸ばしてあげてください。

① 椅子に浅く腰掛け、背すじを伸ばす
② 左足は膝を伸ばして前に出し、右膝は90°曲げる
③ 背骨が丸まらないように、上半身を前へ傾ける
④ ハムストリングスが伸びているところで止まる
⑤ ゆっくり呼吸しながら15秒程度キープ
⑥ 反対側も同様に行う
ハムストリングスが硬い人は、膝を曲げて行っても構いません。痛みのない範囲で行いましょう。

まとめ

デスクワークで長時間同じ姿勢をとっている方やテレワークになってパソコンで作業をする時間が増えた方は、肩こりや腰痛の理由や原因を理解した上で、正しい姿勢のポイントを押さえることが重要です。また、自分に合った適切な机と椅子を選び、パソコン作業の合間には簡単なストレッチを行いましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

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※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2021年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2021年度メーカー出荷枚数ベース

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