腰痛の原因はストレス!?慢性的に続く腰痛の対処法

「腰痛がなかなか治らなくてつらい…」。このような長引く腰痛には、検査してもはっきり原因が分からないものがあります。そのような場合、腰痛の原因としてストレスが関係している可能性があります。
今回は腰痛とストレスの関係を解説し、必要な対処法についてご紹介します。

腰痛を引き起こす原因

腰痛は症状の1つであり、その原因は数多く挙げられます。そもそも腰は人の上半身の重さを支える部分で非常に負担がかかりやすい上に、骨や筋肉、血管、神経などさまざまな臓器組織が集まっています。それゆえに、日頃2本の足で移動する人間は腰痛が起こりやすく、腰痛を引き起こす原因も複雑になりやすいのです。

【原因が特定できない「非特異的腰痛」】
診療では腰痛の原因を特定するために、治療の緊急性が高い腰痛を見逃さないようにします。まずは、悪性腫瘍や感染、骨折、重篤な神経症状を伴う腰痛疾患(腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症)といった、重大な原因が潜んでいないかをチェックします。それらに当てはまらない場合は、経過観察をしながら、必要に応じて痛み止めの内服や注射の治療をして様子を見ます。それでも腰痛が治らない場合は、より詳しい検査をして原因を特定します。ここで、関節や筋肉、神経、靭帯などといった、腰にある組織のどこに問題があるかを確認します。ここまで検査や診察をしてもレントゲンやMRIなどでは原因が特定できない腰痛があり、それらを「非特異的腰痛」といいます。
なぜこのように原因がはっきりしないかというと、腰は肘や膝などのように大きな1つの関節から成り立っているわけではなく、小さな椎骨が積み重なってできたいくつもの関節がまとまっている上に、筋肉、血管、神経などのさまざまな組織が集まっているので、どの部分のどの組織が痛みを引き起こしているのかを明確にすることは簡単ではないためです。
「腰痛診療ガイドライン2019」では診断不明の非特異的腰痛は約20%あると記されており、この中にストレスによる腰痛も含まれます。では、なぜストレスが腰痛の原因に含まれるのかを解説します。

ストレスと腰痛の関係

「腰痛診療ガイドライン2019」では「腰痛の治療成績と遷延化には心理社会的因子が強く関連する」と指摘されています。つまり、腰痛の原因の一部として、心理的な因子や人間関係・仕事といった社会的な因子が大きく関係しているということが分かってきました。
例えば、職業と腰痛の関係性に関する研究の中では、腰痛がなかなか治りにくくなる因子として、うつや仕事上の不満などが挙げられるとされており、ストレスを含む心理的・社会的な影響が腰痛と関連していることが分かります。

本来、腰痛は身体に現れる症状なので、ストレスやそこから影響される脳の働きが腰痛を引き起こしているとはなかなか結びつかず、適切な対処をされないまま腰痛が放置されることになります。その結果、身体的に悪い部分がないにも関わらず、腰痛が慢性化することもあります。ストレスにより腰痛が生じると、腰痛に対する不安や恐怖から、あまり動かなくなったり、好きなことや気分転換などをする機会が減ったりします。そして余計にストレスが溜まってしまい、結果として腰痛が長期化または悪化するといった悪循環に陥ってしまうケースがあります。
実際に、手術を含むさまざまな治療を経ても痛みが長引いているケースがあり、このようなケースでは、心理社会的因子が腰痛の発生、慢性化に関係しているのではないかと考えられています。

心因性による腰痛の特徴

腰周辺の組織の明確な異常による腰痛の場合は、レントゲンやMRI検査などにより原因を特定することができます。3カ月以上続く腰痛は慢性腰痛とされていますが、上記のような身体的な影響が診断により特定できる場合は、医師の診断結果に合わせて必要な対応を取ることになります。しかし、慢性腰痛には腰に異常がないのに痛みが続くケースや、腰の異常が治ったのに痛みだけが続くケースがあります。このような慢性腰痛は、心因性の腰痛である可能性が考えられます。

さらに心因性の腰痛の特徴として、原因がないのに腰の痛みが続く以外にも、治ったと思っていてもしばらくすると痛みがぶり返したりすることが多いため、これらの症状に当てはまるかどうかも心因性による腰痛の判断基準になります。身体的な影響も含めて心因性の腰痛の特徴をしっかりとらえて判断することになるため、自己判断ではなく医師や専門家による判断が必要になります。

対処は自己流で行わない

原因が分からない腰痛の場合、とにかく動いた方が良いと思ってストレッチや筋トレを自己流ですると、いつまでも症状が改善せず、焦りや不安を強める場合もあります。このような対応をすると、余計にストレスを溜めてしまい、かえって症状の悪化を招くことにもつながります。そのため、自己流の対処は控えて、医師の診療を受けるようにしましょう。医療機関には慢性腰痛の方に向けて、ストレスなどの精神的な要因をチェックする「BS-POP」と呼ばれる質問票を使った検査方法があります。検査によって精神的な問題による影響がないかどうかを医師が判断します。実際、心理的な影響の可能性が高い場合は、ただ腰回りの筋肉をほぐしたり鍛えたりする対処法ではなく、心理的な影響の解消が必要です。

痛みに対する考え方を改める

痛みに対して過剰に不安に思ったり、気にしすぎたりすることは余計なストレスを引き起こすことにつながります。そのため、痛みのことをあまり考えないように、体を動かしたり、好きなことをしたりするようにしましょう。また、腰痛のせいでうまくいかなかったり、できなかったりすることに対して、あまり悲観的にならないようにしましょう。
例えば、腰痛で仕事が全然できないと考えるのではなく、少しでも仕事に取り組めるのであれば、腰痛があっても仕事ができたと前向きに考えます。「ここまでできたのだからOK」という心持ちで何事もとらえるようにして、ストレスを溜めこまないようにしながら腰痛と付き合っていきましょう。

安静にするよりも体を動かす

腰痛だからといってずっと安静にしたり、家に閉じこもったりすることはよくありません。腰痛は発生した直後の激しい痛みが出ている時期以外は、体を動かすことが推奨されています。
そのため、無理のない範囲でストレッチや運動などにより体を動かして、活動量を保つことで気分転換を図りましょう。

まとめ

ストレスは腰痛と関係しており、特に原因のはっきりしない長引く腰痛では、ストレスが一因となっている可能性があります。しかし、自己判断で腰痛の原因を決めつけたり、腰痛への対処法を自己流で行ったりすることは、一歩間違えれば余計に腰痛を長引かせたり、悪化させたりといったリスクがあります。その場合は、医療機関で医師に相談し、適切に対処しましょう。

この記事を読んだ方におススメのコンテンツ

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。