温める?冷やす?腰痛治療における正しい使い分けを解説

2021.06.23 最終更新日: 2023.07.25

腰痛は温めるべきか冷やすべきか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。実はどちらも間違いではありません。ただし、正しく使い分けることが重要になります。
そのために適切な判断のポイントや対処方法や、併せて行いたい簡単にできるストレッチをご紹介します。

温める?冷やす?判断のポイント

温めるか冷やすかは、腰痛の原因となっている怪我や病気の発症時期により判断します。怪我や病気が起こってしばらく経過している場合は「温める」、怪我や病気が起こってすぐの場合は「冷やす」ようにします。

慢性腰痛と急性腰痛

腰痛が3ヶ月以上継続している場合は慢性腰痛、発症して4週間未満のものを急性腰痛といいます。慢性腰痛と急性腰痛の主な症状と対処法を解説します。

慢性腰痛

【症状】
痛みは急性腰痛に比べると軽いことが多いですが、「腰全体」のような広い範囲に痛みや重ったるさを感じます。ズキッとする鋭い痛みというよりは、重ったるいような鈍い痛みが特徴です。また、お尻から足にかけて広がるしびれや痛みを生じる場合もあります。一度痛みが軽くなったり、治ったりしても、症状がぶり返してくる場合もあります。

【対処】
痛みのために体を動かさなかったり、過度に安静にしたりすると、筋力が不足して疲れやすくなり血行不良を引き起こします。また、持続する痛みと筋肉を動かさないことが重なると筋肉が緊張して血流が悪くなり、さらに痛みを長引かせる原因になります。そのため、適度に体を動かしたり、筋肉をほぐすストレッチや筋肉を鍛えるトレーニングを行ったりします。さらに、筋肉の血行不良への対処法として、腰を温める方法があります。慢性腰痛はストレスなどの心理的な要因も関係することがあるため、ストレスを溜めないよう生活の工夫をする必要もあります。

急性腰痛

【症状】
「ぎっくり腰」に代表されるように激しい痛みとともに体が動かせなくなることもあります。針を刺すような痛みと表現されることもあるように、痛みの範囲は狭く、ズキッとするような鋭い痛みが特徴です。また、慢性腰痛と同じようにお尻から足にかけてのしびれや痛みが見られることもあります。

【対処】
急性腰痛は根本になっている原因に対する治療を行います。もし体を動かせないような激しい痛みの場合は一時的に安静にして、動けるようになったら無理のない範囲で体の動きを保つようにします。また、必要に応じて痛みに対する内服薬や注射の使用を行います。
急性腰痛は腰の周辺の組織が何らかのダメージを受けた直後に発症します。組織がダメージを受けた直後は炎症が生じているため、温めるのではなく冷やすことによって炎症を和らげます。そのため腰痛の発症直後で痛みの強い時期は冷やしましょう。

患部の温め方・冷やし方

慢性・急性の判別ができた場合の温め方や冷やし方とその効果や注意点を解説します

【慢性腰痛に対する温め方】
確実に血行を改善する方法はお風呂に浸かって全身を温めることです。腰だけを温める場合は、身近にある使い捨てカイロを使用したり、お湯や電子レンジで温めることができるホットパック*を活用したりすると良いでしょう(*温熱療法の一つとしてよく用いられ、保温材が入った物の総称)。ホットパックを使用する場合は、ホットパックが腰に当たるように仰向けに寝て、腰を圧迫しながら温めるホットマッサージもおすすめです。また、直接温めることとは異なりますが、体を冷やさないようにすることも大切です。冷房に直接当たったり、寒い場所に長時間いるなどで体が冷えて血流が悪くならないように注意しましょう。

【急性腰痛に対する冷やし方】
冷やすための道具として最も一般的なものは「氷のう」です。うつ伏せになって腰の上に置くなどして冷やしましょう。また、水や氷で濡らしたタオルを当てたり、保冷剤を使用したりすれば手軽に冷やすことができます。冬場に腰を冷やす場合、体全身が冷えないように部屋は暖めておき、腰以外を温かくする工夫をしましょう。

腰痛改善におすすめのストレッチ

急性腰痛の場合であっても、重症な病気や怪我が原因だったり、動けないほどの強い痛みがあったりする場合でなければ、動ける範囲で動くことが推奨されています。また、慢性腰痛の場合は、できるだけ筋肉をほぐして血流を改善し、動きやすい体を保って活動的な生活を送ることが大切です。そこで、誰でも簡単に実践できるように自宅やオフィスで行えるストレッチをご紹介します。

自宅でできるストレッチ

【腰・背中の筋肉のストレッチ】
腰や背中にある筋肉を伸ばして、血流を改善するためのストレッチです。ゆっくり呼吸を止めずに行うようにしましょう。

①足を肩幅に開いて立つ
②ゆっくり体を前に倒して背中を丸める
③手と頭の重さを利用して腰・背中の筋肉を伸ばす
④15~30秒キープ

【太もも裏のストレッチ】
太ももの裏の筋肉であるハムストリングスが硬くなると、背中が丸くなりやすくなったり、骨盤の動きを妨げて腰に負担がかかりやすくなったりします。その結果、腰痛を引き起こしやすくなるため、柔軟性を保つストレッチを行いましょう。

①床に座って両足を伸ばす
②両手で足の裏をつかむ
③ゆっくり胸を太もも押し付ける
④15~30秒キープ

体が硬くて難しい場合は、両手の持つ位置をすねに変えて行いましょう。加えて、つま先の向きを開いたり、閉じたりして行うと伸ばす筋肉が変わってよりストレッチの効果が高まります。

オフィスでできるストレッチ

デスクワークなどで同じ姿勢をとり続けることは筋肉を緊張させ、血流を妨げて腰痛を引き起こしやすくなります。座ったままできるストレッチを休憩や業務の合間を利用してこまめに行い、血流の改善や血行不良を予防しましょう。

【腰・背中のストレッチ】
座ったままで腰の筋肉をいろいろな方向に動かして血流を改善しましょう。各動作ともゆっくり筋肉が伸ばされるのを意識しながら行いましょう。

①椅子に浅く座り、ゆっくり上半身を倒し、10秒キープ
②背筋を伸ばした状態で背もたれをつかんで腰を左右にゆっくりひねる

【太ももの裏のストレッチ】
座ったままでもストレッチが可能です。太もも裏の筋肉を伸ばして緊張を和らげましょう。

①椅子に浅く座る
②片方の足の膝を伸ばして踵(かかと)を床につける
③伸ばしている足のつま先を触るようにゆっくり前屈する
④反対側の足も同様に行う

まとめ 〜温めたり冷やしたりは症状による使い分けが重要〜

腰痛には急性腰痛と慢性腰痛があり、それぞれ症状や対処法が異なります。温めたり冷やしたりといった対応も、腰痛の症状に合わせて適切な選択をしなければ、改善するどころかかえって悪化する可能性もあります。もし判断が難しい場合は、無理に自己判断をせず医師による指示を受けて、より適切な方法を選択するようにしましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。

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日本シグマックス 医療をベースにした確かな実績。医療機関向け関節サポーター出荷額1位。腰サポーター出荷枚数2年連続1位 ※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2021年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2021年度メーカー出荷枚数ベース

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