2021.04.20 最終更新日: 2026.02.27

「腰痛を改善する方法が知りたい!」そのような悩みの解消方法に筋トレがあります。中でも、主にお腹や背中といった体の芯の部分を鍛える体幹トレーニングがおすすめです。
今回は筋トレの有効性や注意点を交えながら、正しいトレーニングの方法をご紹介します。
● 体幹を鍛え腰椎を安定させることで、腰への負担が減り腰痛の緩和が期待できる
● カールアップやツイストクランチなどの腰痛対策におすすめの筋トレを解説
● 筋トレに加え、日頃の姿勢改善やサポーターの活用で腰の負担を軽減できる
背骨の腰にあたる部分である「腰椎」は、上半身の重さを支える役割を担っています。そのため、腰椎やそのまわりにある筋肉、神経といった組織は、さまざまな動きや姿勢で負担がかかりやすくなっており、異常をきたし痛みの原因となりやすいのです。
腰の周囲には腰椎や筋肉、神経以外にも腰椎同士をつなぐ関節や靭帯、腰の前にある内臓、そしてこれらの臓器に通っている血管などがあります。これらのどこかに異常が起きた場合でも、腰痛が症状として出ることがあります。
診療では腰痛の原因となっている場所を探しますが、最初に行われることは、腰痛が「危険な腰痛」であるかどうかの確認です。なぜなら、危険な腰痛としての兆候があり、腰痛の原因に重篤な病気が潜んでいる可能性があれば、すぐに専門的な診療や治療を受けてもらう必要があるためです。
危険な腰痛である場合は、筋トレをするべきではありません。筋トレをすることで症状や病気を悪化させる恐れがあります。
以上のように腰痛の原因はさまざまであり、筋トレでは解消できない腰痛もあることを知っておきましょう。
筋トレをして体幹を鍛えるとなぜ腰痛が緩和されるのでしょうか。それは体幹の筋肉が姿勢の改善と腰椎の支持に役立っているためです。体幹には大きく分けてアウターマッスルとインナーマッスルと呼ばれる2種類の筋肉があります。
アウターマッスルには一般的に腹筋と呼ばれている腹直筋(ふくちょくきん)や内・外腹斜筋(ない・がいふくしゃきん)があり、大きな力により体幹の運動や固定に強く働きます。
一方、インナーマッスルには腰椎の近くに腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と呼ばれる筋肉があります。これらの筋肉は、腰椎の連結を強化して正しい位置に保つとともに、腰椎を安定させます。
以上のように2種類の筋肉の働きにより姿勢が改善されるとともに、腰椎を支えて安定させるのです。結果として、腰椎や腰の筋肉にかかる負担を軽減でき、腰痛の緩和に有効と言えます。
● 筋トレによって痛みが強まるような場合はすぐに中止しましょう。
● 腰痛の症状以外に、発熱や足のしびれ、体重の減少、尿失禁・頻尿などの症状が出る場合は、重篤な病気が潜んでいる可能性があるため、筋トレをする前に医師の診察を受けましょう。
● じっとしている・たり、寝ているだけだったりする時ときに痛みがある場合も、まずは整形外科などの医療機関を無理をせずに受診しましょう。
上記のような状態に当てはまらない場合でも、筋トレをすることで腰の痛みが悪化するかもしれないと不安に思われる方もいるかもしれません。そのような場合には、実施種目や回数を少なくしたり、腰椎の動きが少ない運動から選択したりするようにしましょう。
実施した種目や回数で、翌日以降に痛みが出ない場合は、いきなり無理をせず徐々に種目や回数を増やしていき、筋トレをなるべく継続できる工夫をすることが大切です。また、正しい姿勢や方法に気をつけて筋トレをすると痛みが悪化するのを防ぐことができます。次からご紹介する筋トレでもしっかり方法や姿勢を意識して実施しましょう。
カールアップは腹筋を鍛えるトレーニングです。
1. 仰向けになり、膝を曲げる
2. 両手を腰の下に入れる
3. 手に軽く圧力がかかる状態にして、おへそを覗き込む
4. 頭をゆっくり上げ、1〜2秒キープしてゆっくり戻す
この運動によりアウターマッスルである腹直筋を鍛えることで、大きな力で動きを引き出したり、腰を支えたりすることにつながります。ポイントは膝を曲げたり、手に軽く圧をかけるようにしたりすることで、腰が反って負担がかからないようにすることです。手に圧力を軽くかけると、インナーマッスルである腹横筋の収縮も同時に行うことにもつながります。頭を上げる時は息をゆっくり吐き、頭を下げる時に吸うようにして、呼吸が止まることによる血圧の上昇を防ぐようにしましょう。
腹直筋と同じ内・外腹斜筋といったアウターマッスルを鍛える運動です。
1. 仰向けになり、膝を曲げて、両手を頭の後ろで組む
2. 息を吐きつつ体をひねりながら上半身を持ち上げる
3. 片側の肘を反対側の膝に近付ける
4. ゆっくりと息を吸いながら1の体勢に戻る
5. 反対側も同様に行う
腹直筋がお腹を縦にまっすぐ覆っているのに対して、内・外腹斜筋は左右をハの字(厳密にいうと内腹斜筋は文字通りハの字で外腹斜筋は逆ハの字)に覆っているため、腰を前からバランスよく支えるには腹直筋と一緒に腹斜筋が働くことが大切です。
ここからはインナーマッスルを鍛える運動を紹介します。まずは代表的な運動の1つドローインです。
1. 仰向けになり、膝を曲げる
2. 大きく息を吸い、お腹を膨らませる
3. 息を吐くのに合わせてできるだけお腹を凹ませる
4. 凹ませた状態のまま、深呼吸を繰り返す
腹圧を意識的に高めるドローインをすることで、コルセットのように体幹を覆っている腹横筋などのインナーマッスルが鍛えられ、腰への負担を軽くして、腰痛の軽減につながることが期待できます。
プランクはお腹から腰の周辺にかけてのインナーマッスルを鍛える運動です。
1. うつ伏せになり、床につけた肘とつま先で体を浮かせる
2. 肩からかかとを一直線になるようにする
3. 肩甲骨を軽く内側に入れる
体が曲がったり、反ったりすると腰の負担が増えたり、インナーマッスルが正しく働かなかったりするため、一直線になるように意識しましょう。
バードドッグは腰椎に最も近い部分にある多裂筋と呼ばれるインナーマッスルを鍛える運動です。
1. 四つん這いになり、肩甲骨を軽く寄せる
2. 片側の手を前方に伸ばしキープする
3. 反対側の足を後ろにできるだけ遠くに伸ばす
※伸ばした手足は一直線に突き出すイメージ
4. 肘と膝を近づけて、再び遠くに伸ばす
5. 反対側も同様に行う
四つん這いの姿勢は、両手は両肩の真下に、両膝は両股関節の真下に来るようにして、背中が丸まったり、反ったりしないように意識しましょう。多裂筋を鍛えることで、腰椎の安定性を高め、腰への負担を軽減することが期待できます。
トレーニングに加え、日頃の動作や姿勢の見直しで負担を軽減することを検討してみてください。
荷物の持ち上げ方や普段の座り姿勢を見直すだけでも、腰にかかる負担を軽減させることが期待できます。
日常の中で負担のかかる動作を極力避ける、動作を行う際にはサポーターを着用し負担を軽減するなど、日頃の動作の見直しを行いましょう。
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Q:腰痛は筋トレで治りますか?
A:筋トレが直接的に腰痛の治療になるわけではありません。しかし、体幹の筋肉を鍛えることで、姿勢の改善と腰椎の支持に役立ち、腰痛の緩和が期待できます。
• 理由:体幹の筋肉が腰椎(腰の骨)を正しい位置に保ち、安定させることで、腰にかかる負担を軽減するためです。
• 効果的な筋肉:お腹の正面にある「腹直筋」などのアウターマッスルと、腰椎を支える「腹横筋」や「多裂筋」などのインナーマッスルの両方をバランスよく鍛えることが大切です。
• 具体的な筋トレ:カールアップ、ツイストクランチ、ドローイン、プランク、バードドッグといったトレーニングを試してみましょう。
Q:腰が痛い時は筋トレしない方がいいですか?
A:「危険な腰痛」の兆候がある場合や、運動によって痛みが強まる場合は、筋トレを控えて医師の診察を受けてください 。
• すぐに中止すべきケース:筋トレをしていて痛みが強まった場合は、直ちに中止する必要があります。
• 受診が必要な兆候:発熱、足のしびれ、急激な体重減少、尿失禁・頻尿などの症状がある場合や、じっとしている・寝ている時に痛みがある場合は、重篤な病気が隠れている可能性があるため、運動前に整形外科を受診しましょう。
• 不安がある場合:痛みが悪化しないか不安な時は、種目数や回数を減らしたり、腰の動きが少ない運動から選んだりして、無理のない範囲で継続することが大切です。
Q:腰に悪い筋トレはありますか?
A:特定の種目が悪いということではなく、正しくない姿勢や方法で行うこと、および無理な負荷をかけることが腰への負担を増大させます。
• 注意すべき姿勢:トレーニング中に腰が反ったり、曲がったりした状態で行うと、インナーマッスルが正しく働かず、腰を痛める原因になります。
• 負担を減らすポイント:仰向けで行う腹筋(カールアップ)では、膝を曲げ、腰の下に手を入れて軽く圧をかけることで、腰が反るのを防げます。プランクやバードドッグでは、肩からかかと、あるいは伸ばした手足が一直線になるよう意識し、背中を丸めたり反らせたりしないことが重要です。
• 呼吸:呼吸を止めると血圧が上昇するため、ゆっくり吐きながら動くなどの正しい呼吸法を意識しましょう。
腰痛の予防や改善には体幹の筋肉を鍛えて、良い姿勢や腰椎の安定を確保することが大切です。むやみに筋トレをするのではなく、筋トレが逆効果にならないように注意が必要です。医師の診療や治療もうまく組み合わせながら、今回ご紹介した筋トレを無理のない範囲で始めましょう。
また、日頃の姿勢を見直すことや、腰に負担がかかる動作をする際にはサポーターを取り入れることもおすすめです。
シグマックス・MEDIAID事務局
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