『首が痛い』原因は?考えられる疾患と対処法・予防法

「首を動かすと痛い」「デスクワークで首がつらい…」などの症状に悩まされている方もいるのではないでしょうか。

首は、約4〜6kgの重さがある頭を常に支えているため、負担がかかりやすい部分です。首の痛みは、普段の姿勢や生活習慣が原因で生じる場合と、疾患が原因の場合があります。

本記事では、首の痛みについて、痛みを引き起こす原因や考えられる疾患について詳しく解説します。自宅やオフィスで簡単にできるストレッチもご紹介するので、本記事を参考に首の痛みを予防しましょう。

首の構造

首には背骨の一番上の部分にあたる頸椎と呼ばれる骨があります。頸椎は7個の骨(椎骨)が積み重なってできており、首周辺の筋肉と合わせて、頭や首を支えたり動かしたりする役割を持っています。

椎骨と椎骨の間にある椎間板は、頸椎にかかる負担を和らげたり、滑らかに動くようにしたりする重要な組織です。椎骨同士は椎間関節と呼ばれる関節でつながっており、首の運動をする時は関節を軸に動きます。

また、頸椎の後方には脳から伸びている脊髄(せきずい)と呼ばれる神経が通っており、脊髄から枝分かれした神経が手の動きや感覚などをつかさどります。

首が痛い原因は

首の痛みの原因は大きく2つに分けられます。

1. 頭、肩、背中など首周辺にある筋肉や関節からくる痛み

2. 疾患による痛み

1の首周辺の筋肉や関節からくる痛みは、筋肉の血流が悪くなって硬くなったり、関節の動きが悪くなったりすることで起こる痛みです。

原因としては、下記のようなことが挙げられます。

● 不良姿勢(姿勢が悪い)

● デスクワークやスマホ操作を長時間続ける

● 運動不足

● ストレス

● 加齢

2の疾患による首の痛みは、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症性脊髄症といった首に関する疾患の他、眼や内臓の疾患によっても生じることがあります。

筋肉や関節からくる首の痛み

首周辺の筋肉は首だけではなく、頭や肩、背中にもつながっています。例えば、首の痛みや肩こりの原因となる僧帽筋は後頭部から首、肩を通って背中まで広がっている筋肉です。そのため、首だけでなく、頭の位置や肩・背中など体全体の姿勢が首の痛みに影響を与える可能性があります。

頸椎の関節に負担がかかることによる炎症も首の痛みの原因となります。

例えば、目が覚めた時に首の痛みが生じる「寝違え」は、けがではなく上記のような筋肉や関節の問題で起こる痛みとされています。不自然な寝方をすることで一部の筋肉の血流が不足する、前日に行った無理な運動で筋肉が痙攣(けいれん)するなどの原因が考えられています。

頸椎は体の前方に向かって緩やかにカーブしており、それを生理的前弯(せいりてきぜんわん)と言います。頸椎の前弯が少なくなることを「ストレートネック」と言い、頭の重さによる首への負担が増えて痛みの原因となります。

ストレートネックについて詳しく知りたい方は、「ストレートネック(スマホ首)の改善に!簡単にできるストレッチと予防法をご紹介」の記事をチェックしてください。

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首の痛みがある場合に考えられる疾患

首に痛みがある場合、さまざまな疾患が考えられます。

● 頸椎捻挫(けいついねんざ)

交通事故やスポーツで首に強い衝撃を受け、首周辺の筋肉や靭帯などの損傷によって痛みや体の不調をきたす疾患です。「むち打ち」とも呼びます。

首の痛みや肩こり、頭痛、めまいなどの症状が現れます。衝撃により神経の損傷があると、手のしびれが生じる場合もあります。

● 頸椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんへるにあ)

頸椎にある椎間板が加齢などで後方に突き出てしまい、神経を圧迫してしまう疾患です。30〜50代に多く、遺伝的要因で突然発症する他、不良姿勢やスポーツが原因になる場合があります。

首の後ろが痛む、首の動きが制限されるといった症状が見られ、片側の腕がしびれてきたり、腕に痛みが広がったりといった神経症状が現れることもあります。

● 頸椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)

加齢により頸椎の椎間板に変形が生じたり、骨に棘のような出っ張りができたりするなどの頸椎に起こる変形を変形性頸椎症と呼びます。

変形性頸椎症によって、脊髄が圧迫された状態を頸椎症性脊髄症と言います。頸椎症性脊髄症は、首周辺の動きの制限や腕のしびれなどの症状が現れます。また、手の細かい動きが難しくなるため、ボタンのはめ外しや箸の使用などが難しくなります。歩行では、足がもつれるようになったり、階段で手すりなどの支えが必要になったりする場合もあります。

● 頸椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)

変形性頸椎症により、脊髄から枝分かれした神経根が圧迫された状態のことを頸椎症性神経根症と言います。首周辺の痛みや動きの制限があり、首を後ろに反らせると症状が強く出ます。脊髄からの神経は左右に分かれているため、圧迫されている片側の腕や手がしびれたり、力が入りにくかったりする症状が現れます。

● その他

首の痛みを伴う他の整形外科の疾患としては、関節リウマチや悪性腫瘍(癌)の転移などが考えられます。その他、うつ病、眼科疾患などが関与している場合もあります。また、狭心症や心筋梗塞、胆石症、胆のう炎で首から肩にかけて放散痛が生じることもあります。

首の痛みで病院を受診する目安

首の痛みがある場合に医療機関を受診する目安は、以下の通りです。

● 首の痛みが長時間治まらない

● 手足にしびれがある

● 手が使いにくい

● 歩きづらい

首の痛みに加えて上記の症状があれば、重篤な疾患が潜んでいる可能性があります。早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。

自宅やオフィスでできる!首の痛みを予防する方法

筋肉や関節からくる首の痛みは、日常生活で正しい姿勢を意識することで予防できます。自宅やオフィスでできるストレッチ方法と、正しい姿勢のとり方を解説します。

現在、首に痛みがある場合、ストレッチは行わず、整形外科などの医療機関を受診して、専門家による診断・治療を受けましょう。

● 正しい姿勢を意識する

首への負担を減らすためには、正しい座り方を心がけましょう。特にデスクワークでパソコンを長時間使用する場合は、以下のポイントで姿勢を調整しましょう。

● 椅子に深く腰掛ける

● 両足の裏が床に付くように、椅子の高さを合わせる

● ディスプレイの上端が目線より下になるように合わせる

● 手首や腕が置けるよう机のスペースや肘掛けを用意する

ディスプレイの位置が低すぎると、視線が下を向いてしまい首に負担がかかるので注意が必要です。スマホを使用する際も下を向きすぎないように、できるだけスマホを目の高さに合わせるようにしましょう。また、猫背になると、結果的に視線が下を向きやすくなるため、姿勢が悪くならないようにしましょう。

机は、机に手を置いた時に肘が直角程度に曲がる高さ、椅子はクッションも含めて、しっかり足裏を付けた状態で左右均等に体重がかかる高さがおすすめです。

長時間同じ姿勢を続けると、血流が滞りやすく、首への負担もかかります。適度に動いて姿勢を変えたり、合間にストレッチをしたりして、首への負担を減らしましょう。

パソコンに向かう時の正しい姿勢と座り方を詳しく知りたい方は、「パソコンに向かう姿勢が原因?肩こり・腰痛が起こる原因と正しい姿勢を保つためのデスクまわりの調整法をご紹介」の記事をチェックしてください。

● 僧帽筋のストレッチ

僧帽筋は首から背中にかけて幅広くある筋肉で、首の痛みの原因となります。僧帽筋をゆっくり伸ばしましょう。

1. 椅子に座って、右手を左の耳上に当てる

2. 右手の重みで動きを補助しながら、頭をゆっくり右に倒す

3. 首の左側が伸ばされるのを感じた状態で20〜30秒キープ

4. 反対側も同様に行い、2~3回繰り返す

首の関節に負担がかからないように、手の重みで動きを補助しながらゆっくり頭を倒しましょう。

● 胸を張るストレッチ

背中が丸くなって首へ負担がかかることを防ぐために、胸を張るストレッチをご紹介します。

1. 両足を肩幅に開いて立つ

2. 両手を腰の後ろで組む

3. 肘を伸ばした状態で、体から手を遠ざけるように伸ばす

4. 両胸が伸ばされているのを感じながら20〜30秒キープ。2~3回繰り返す

視線が下を向き背中が丸くなると胸の前の筋肉が縮んでしまうため、胸を張るストレッチで伸ばしましょう。

これ以外にも首のストレッチを知りたい方は「首ストレッチで『首こり』を軽減しよう!すぐにできる簡単ストレッチ方法をご紹介」をチェックしてください。

まとめ

首の痛みは筋肉や関節の不調からくる場合だけでなく、さまざまな疾患が関与している可能性があります。特に首の痛みだけではなく、しびれや手足の動きにくさなどの症状が現れた場合は、放置せずに整形外科などの医療機関を受診しましょう。

首まわりの筋肉や関節にかかる負担は、正しい姿勢やストレッチにより軽減できます。また、デスクワークやスマホ操作を長時間続ける場合や、ストレートネックが気になる方は、サポーターを使用して首の負担を減らしましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

シグマックス社員が仕事の中で得た知識から、知っておくと嬉しい・役立つ情報を、生活者の視点から発信しています。

MEDIAID(メディエイド)は整形外科で
確かな実績を持つ
日本シグマックスの
サポーター専業ブランドです。

日本シグマックス 医療をベースにした確かな実績。医療機関向け関節サポーター出荷額1位。腰サポーター出荷枚数2年連続1位 ※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2021年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2021年度メーカー出荷枚数ベース

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