親指の付け根が痛い原因は『母指CM関節症』の可能性も?『母指CM関節症』の症状・原因について

2022.12.28 最終更新日: 2023.12.14

「物をつまんだり、ビンのふたを開けたり、親指に力を入れる時に、親指の付け根が痛い…」。このように親指の付け根が痛むような症状が続く場合は、「母指CM関節症」が原因かもしれません。今回は、親指の付け根に痛みや腫れを引き起こす母指CM関節症についてご紹介します。

親指の付け根が痛い場合は「母指CM関節症」かも?

「母指CM関節」は、親指の付け根の関節です。この関節は他の指の関節と比べ、さまざまな方向へ動きやすくなっています。このような母指CM関節の柔軟性により、私たちは親指と他の指で物をつまんだり、物を握ったりすることが可能となります。例えば、以下のような動作でCM関節の動きが必要となります。

・スマホを操作する
・ビンのふたを開ける
・ドアノブを回す
・ハサミやホチキスを使う
・草をむしる
など

このような動作で親指の付け根に痛みが生じる場合は、母指CM関節に異常が生じる「母指CM関節症」の可能性があります。

「母指CM関節症」とは

●母指CM関節症の症状

母指CM関節症は、男性よりも女性に多く、特に中年以降の女性に発症しやすい疾患です。主な症状は、親指の付け根の痛み、腫れ、変形、物をつまむ動作の制限、握力の低下などが見られます。物をつまんだり、握ったりするような母指CM関節に負担のかかる動作で特に痛みを感じます。また、進行すると親指の付け根が膨らんで腫れてくるため、親指を開くことが難しくなります。
さらには、親指の先の関節が曲がって、その手前の関節が反り返るといった変形が生じることもあります。

●母指CM関節症の原因

関節の表面は、関節の動きを滑らかにする「関節軟骨」に覆われています。母指CM関節症は関節軟骨がすり減ってしまい、結果として関節の炎症や腫れ、痛みを引き起こします。母指CM関節の関節軟骨がすり減る原因としては以下が挙げられます。

1.手の使いすぎ

日常生活において「つまむ」、「握る」といった動作は繰り返し行われます。その結果、家事や仕事で手を過剰に使っていると、母指CM関節に大きな負担がかかり、軟骨のすり減りにつながります。

2.加齢

加齢により関節軟骨が減少します。減少した状態で手を使うことで、関節軟骨が少しずつすり減ります。

3.ホルモンバランスの変化

女性ホルモンの「エストロゲン」は関節の軟骨の状態を良好に保つ作用があるとされています。そのため、更年期になり女性ホルモンの分泌が急激に減少することが原因の1つであると考えられています。

「母指CM関節症」かな?と思ったら…

基本的には手の使い過ぎを防ぎ、負担をかけないようにして手を休ませます。ただし、通常の生活をしているだけでも母指CM関節はよく動くため、手首から親指の付け根を保護したり、固定したりするサポーターやテーピングを使うという選択肢もあります。
痛みが強い場合や腫れが引かない場合はもちろんのこと、少しでも違和感があれば、症状を見極めて適切な処置を行うために、早めに整形外科などの医療機関を受診してください。

親指の付け根が痛い場合、他に考えられる疾患

親指の付け根が痛い場合、「母指CM関節症」以外にも考えられる疾患がいくつかあります。

●ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

ドケルバン病は親指に起こる腱鞘炎(けんしょうえん)の一種です。手の甲からみて親指を広げると、手首の親指側に2本の線が浮かびます。これは親指を広げたり反らしたりする時に使う2本の腱です。この腱は2本まとめて手首の親指側にある腱鞘(けんしょう)を通ります。手首や手を使いすぎたことが原因となり、腱や腱鞘に炎症が生じた状態がドケルバン病です。

●ばね指(弾発指・屈筋腱腱鞘炎)

ばね指は、親指や中指のMP関節周辺に起こる腱鞘炎の一種です。指を動かす筋肉は腱(けん)となって指の骨とつながります。そして、指の関節がスムーズに動くように、腱の周りに腱鞘と呼ばれる組織で覆われている部分があります。
腱鞘炎は手を使い過ぎてしまい指の関節に負担がかかることで、腱や腱鞘に炎症が生じた状態です。ばね指が起こるMP関節は、CM関節の1つ指先に近い部分の関節です。母指CM関節同様に関節部分に痛みや腫れが見られます。
一般的に「指の付け根」と言われるとMP関節と考える方も多く見られます。そのため親指の付け根が痛むといった場合に「ばね指」である可能性も考えられます。

●手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手根管症候群は、しびれや痛み、親指の動きの制限が起こり、つまんだり、掴んだりする動作が難しくなる病気です。
手首には手根管(しゅこんかん)と呼ばれるトンネルのような神経や腱の通り道があります。何かしらの原因で手根管を通る正中神経(せいちゅうしんけい/親指から薬指の親指側半分の感覚や親指の運動を司る神経)が圧迫されることで、手指の痛みやしびれを生じます。

●関節リウマチ

関節にある滑膜(かつまく)と呼ばれる部分が異常に増えてしまい、関節の炎症を引き起こす疾患です。さまざまな症状を引き起こしますが、初めて自覚する症状として、指の関節の痛みや腫れなどがあります。

●骨折や脱臼などの怪我

スポーツによる衝突や交通事故などで親指に強い衝撃が加わった場合、骨折や脱臼といった怪我が生じる危険性があります。そのような怪我が親指の付け根付近に生じた場合は親指の付け根に痛みや腫れなどが生じます。

親指の付け根の痛みで病院に行く目安

親指の付け根に痛みや腫れなどの症状が見られた場合は、整形外科などの医療機関を受診しましょう。「親指の付け根」といっても、人によって捉える部分や範囲が異なります。そのため、母指CM関節症ではなくても、痛みの部位やその他の症状から、別の病気や怪我が潜んでいる可能性があります。
母指CM関節症の場合は、痛みや腫れを我慢して、関節に負担をかけると、関節の炎症や変形が進行してしまう危険性もあります。そのため、我慢できるからと言って放置せずに、早めに整形外科などの医療機関を受診してください。

まとめ

物をつまんだり、握ったりという動作は、日常生活において頻繁に行います。その動作に支障が出てしまうと、生活の質を大きく低下させることになります。また、親指の関節に生じる疾患はさまざまな種類があるため、親指の付け根の痛みはもちろん、しびれや腫れなどの違和感があったら、整形外科などの医療機関を受診しましょう。

発信者

シグマックス・MEDIAID事務局

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※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2021年度メーカー出荷枚数ベース

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