2024.09.19 最終更新日: 2024.09.20
「肩こりがひどくてつらい…」「肩こりの解消法が知りたい」。このような悩みがある方はいませんか?
厚労省が2022(令和4)年に実施した「国民生活基礎調査」によると、肩こりは男女とも病気やけがなどの自覚症状の中で有訴率は第2位になっており、第1位の腰痛とともに多くの方を悩ませる症状の1つです。そこでおすすめなのは、肩こりの原因となる肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチです。
本記事では、肩こりの原因、肩甲骨周辺の状態をチェックする方法、おすすめのストレッチを解説します。
肩こりは病名ではなく、首や首の付け根から、肩または背中にかけての部位が張ったり、凝ったりする状態のことを言います。大きく2種類に分類されます。
● 症候性(しょうこうせい)肩こり:なんらかの病気が原因になっている肩こり
● 本態性(ほんたいせい)肩こり:はっきりと原因が特定できない肩こり
肩こりの大半は、本態性肩こりと言われています。
症候性肩こりには、首や肩まわりだけでなく、目、内臓などが原因となる場合もあります。また、肩こりがひどくなると肩周辺の凝りだけでなく、頭痛や吐き気などの症状を伴う場合もあります。
肩こりの主な原因は、肩甲骨の周囲にある筋肉の血行不良です。血行不良を招く要因はさまざまで、以下のようなものが挙げられます。
● 首や肩が緊張するような作業を長時間続けること(デスクワーク、スマホ操作)
● 肩が凝りやすい姿勢(猫背、巻き肩)を続けること
● 運動不足による筋力の低下
● 精神的なストレス
● クーラーなどによる冷え
● 不適切な生活習慣
これらによって首や肩周辺の筋肉に負担がかかり、疲労が蓄積することで血流が滞ります。血流が滞ると、血液の循環によって代謝されるはずの老廃物が蓄積してしまい、慢性的に筋肉が緊張します。その結果、首や肩の凝り、だるさといった症状が現れます。
そのため、肩こりの予防には、生活習慣を見直して肩にかかる負担を減らすとともに、血行不良を改善するためのストレッチを行うことが重要です。
肩こりの原因になる筋肉は、僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)、菱形筋(りょうけいきん)などです。これらの筋肉は、頭や2本の腕を支える働きがあります。
僧帽筋は上部、中部、下部の3つに分かれています。僧帽筋上部は肩をすくめる動きをする時に働きます。僧帽筋上部と肩甲挙筋は、後頭部から首に付いているため、首の症状にも関与する筋肉です。僧帽筋中部は肩甲骨を内側に寄せたり、胸を張ったりする動きの時に働きます。猫背の原因になる筋肉です。僧帽筋下部は肩甲骨を下げる作用があり、腕を上げる動作をサポートする筋肉です。
菱形筋は、大菱形筋と小菱形筋の2種類あります。どちらも肩甲骨の内側から背骨にかけてある筋肉です。僧帽筋中部の奥に菱形筋があり、肩甲骨を内側に寄せる時に働きます。
猫背や巻き肩の場合、頭や腕の重さを支えるために、僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋などの筋肉が過剰に働いたり、引き伸ばされたりする状態になっています。そのため、猫背や巻き肩の姿勢を続けると筋肉への負担が増え、肩こりの症状が現れやすいです。
まずは肩甲骨周辺にある筋肉の柔軟性をチェックしてみましょう。
1. 壁に背中を付けてまっすぐ立つ
2. 手のひらを下に向けて肘をまっすぐ伸ばした状態で、壁に沿わせるように腕をゆっくり上げる
3. 肩と水平の高さを0度として、そこから腕が上がった角度で筋肉の柔軟性を確認する
● 60°~90°:肩甲骨周辺にある筋肉の柔軟性が保たれている
● 0°~60°:肩甲骨周辺にある筋肉の動きが少し悪くなっている
0°~60°の方で、肩や首の痛みが続いている場合は筋肉の柔軟性以外に要因がある可能性もあるため、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
「ただの肩こりだから…」と自己判断で放置していると、別の病気が潜んでいたり、症状の悪化を招いたりする可能性もあります。
● 肩の痛みが強く、日常生活に支障をきたす
● 肩の痛みを日常的に感じる
● 肩全体や首に痛みが広がっている
● 肩の痛みが徐々に強くなる
● 肩こり以外の症状(しびれ、めまい、頭痛、吐き気など)がある
上記の症状がある場合、単なる肩こりではない可能性があります。特にしびれやめまい、頭痛、吐き気などの症状がある場合は、重大な健康問題が隠れている可能性があるため、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
肩こりを予防するためには、原因となる肩甲骨周辺の筋肉をほぐす必要があります。ここでは、肩こりの原因になりやすい僧帽筋・肩甲挙筋・菱形筋をほぐすストレッチをご紹介します。
僧帽筋は肩甲骨から幅広く体を覆う筋肉です。満遍なくほぐすことで、肩こりの予防につながるので、部位ごとにしっかりストレッチしましょう。
僧帽筋上部繊維と肩甲挙筋は、肩甲骨の上方から首にかけて付いている筋肉です。頭の重さを支える役割があり、肩こりの原因になりやすい筋肉とされています。日頃からストレッチをして血流を促しましょう。
1. 椅子に座り、右手で左手首をつかむように腰の後ろで組む
2. 頭を右方向に傾ける
3. 右手で左腕を斜め下方向に引っ張る。肩を引き下げるようなイメージで行う
4. 15秒〜20秒キープ。反対側も同様に行い、2~3回繰り返す
僧帽筋中部線維と菱形筋は肩甲骨内側に引き寄せる役割を持つ筋肉です。胸を張るような姿勢にも必要です。デスクワークが多かったり、猫背の姿勢が続いたりすると菱形筋が凝り、肩甲骨のまわりの筋肉が固まってしまうため、肩こりにつながります。
1. 椅子に座り、両足を大きく広げる
2. 両手をクロスさせて手のひらを合わせる
3. 肘を伸ばした状態で指先を床に近づけるように、体をゆっくり前に倒す
4. 肩甲骨の間が伸ばされているのを感じた状態で15秒〜20秒キープ。2~3回繰り返す
僧帽筋下部線維は肩甲骨から背中の下の方まである幅広い筋肉で、肩の動きを安定させたり姿勢を保ったりする役割があります。
1. 椅子に座り、両手を腰の後ろで組む
2. 肩甲骨を寄せるように意識しながら、両手を下に引っ張る
3. 背中から肩甲骨の下部にかけて伸ばされているのを感じながら15秒〜20秒キープ。2~3回繰り返す
肩甲骨を大きく動かして、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチです。自宅にあるタオルを使って簡単にできます。
1. 椅子に座る。両手でタオルを肩幅くらいの長さで持つ
2. 背筋を伸ばすように両手を真上にしっかり上げる
3. タオルが首の後ろに来るようにゆっくり肘を曲げる
4. もう一度、両手を真っ直ぐ上げる
5. ゆっくり最初の位置に戻す。2~3回繰り返す
ストレッチは呼吸を止めずに無理のないように行います。反動を付けるとけがをする可能性もあります。筋肉がゆっくりと伸びるのを感じながら、痛みの出ない範囲で動かしましょう。
肩こりは、日常生活で誰にでも生じる可能性のある症状です。長時間同じ姿勢を続けている時は、ストレッチを行って筋肉の血流を促し、血行不良を防ぐようにしましょう。
また、不良姿勢を改善することも肩こり予防には大切です。姿勢が気になる方は、正しい姿勢の維持を助けてくれるサポーターの活用もおすすめです。
猫背や巻き肩といった不良姿勢から生じる負担を軽減。
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シグマックス・MEDIAID事務局
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MEDIAID(メディエイド)は整形外科で
確かな実績を持つ
日本シグマックスの
サポーター専業ブランドです。
※MEDIAIDは日本シグマックスのブランドです。
※1:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2021年度メーカー出荷額ベース
※2:㈱日本能率協会総合研究所調べ。2020~2021年度メーカー出荷枚数ベース